ミズノ JPX ONE ドライバー レビューJPX ONE と JPX ONE SELECT を、作りと数字で採点
更新:2026年9月14日広告を含みます
ゴルフギアを研究しているオタクが、ヘッドの素材・構造・重さの配置と、公式スペック、第三者の計測・試打記事を突き合わせて、良いところより先に弱点を書きます。
ギアオタクの結論 総合 ★★★★★ 3.3 / 5
「スピンが少なめの人が、やさしく飛ばすための一本」。もともとスピンが多い人と、SELECT を背伸びして選ぶ人には勧めません。
買っていい人
- スピン量が2,000rpm前後と少なめの人(ONE)
- ヘッドスピード43m/s以上で、低スピンの強い球を打ちたい人(SELECT)
- 構えたときの見た目を重視する人(構えやすさの評価が高い)
見送るべき人
- スピンが3,000rpm以上出る人(吹き上がる恐れ)
- つかまえてスライスを直したい人
- ヘッドスピード43m/s未満で SELECT を選ぼうとしている人
1分で読む JPX ONE の評価
鍛造チタンの上に、樹脂を0.4mm重ねたフェース。ミズノによると、ドライバーのフェースでは世界初です。こういう攻めた作りは、ギアオタクとして素直にわくわくします。ただし、人を選ぶ。
良い点
- 鍛造チタンに NANOALLOY を0.4mm重ねたフェース
- ONE の実測の慣性モーメントは5,199g・cm²。標準より大きい
- 構えやすさの評価が高い(my caddie の項目別で4.9)
- スリーブでロフトを±2度動かせる
イマイチな点
- スピンが多めで、飛距離が伸びきらないという試打が国内外にある
- 打感の評価が「柔らかい」と「硬い」で割れる
ONE か SELECT か
- ONE:スピンが2,000rpm前後と少なめの人。10.5度や R シャフトが要る人もこちら
- SELECT:ロフトは9度だけ。試打者の多くが、ヘッドスピード43m/s以上を目安にしている
- どちらも見送り:スピンが3,000rpm以上出る人。吹き上がる恐れがある
迷ったら ONE です。SELECT を背伸びして選ぶのは勧めません。ウェイトは2機種とも固定で、交換できない点も先に知っておいてください。
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この記事の内容
結論:私ならこう選ぶ
「スピンが少なめの人が、やさしく飛ばすための一本」。もともとスピンが多い人と、SELECT を背伸びして選ぶ人には勧めません。
弱点をひとつ挙げるなら「スピンが多く、飛距離が伸びきらない」です。
モデルの違いと選び方
2機種は体積が同じ460cm³なのに、SELECT のほうがヘッドが小さく見えるように作られています。フェース技術・45.5インチ・92,400円も共通なので、差は見た目の大きさと、そこから来るやさしさです。ONE はロフトもシャフトも選べるやさしさ重視。SELECT は操作性重視で、ロフトが9.0度だけなので、球の高さに自信がない人には選びにくいと私は見ています。
JPX ONE
向いている人
- 高い初速に加えて、やさしさ(慣性モーメント=芯を外したときのぶれにくさ、広い高反発エリア)が欲しい人(公式の説明)
- 10.5度が必要な人、R シャフトが必要な人
- もともとスピン量が2,000rpm前後と少なめの人(みんなのゴルフダイジェスト 松尾好員氏の見立て)
選ばない方がいい人
- 普段スピンが3,000rpm以上出る人(吹き上がる恐れがあると松尾好員氏が指摘)
- ウェイトを交換して球筋を調整したい人(ウェイト固定)
JPX ONE SELECT
向いている人
- 体積はそのままで小さく見えるヘッドで、操作性も欲しい人(公式の説明)
- 自分で球を上げられるヘッドスピードの速い人(松尾好員氏はヘッドスピード48m/s程度と見立て)
球が上がりにくい人には向かない
- 球が上がりにくい人(日本仕様のロフトは9.0度のみ)
- 芯を外したときの助けを重視する人(媒体の実測で慣性モーメントは ONE より小さい:ONE 5,199、SELECT 4,664g・cm²/みんなのゴルフダイジェスト)
- R シャフトが必要な人(S と SR のみ)
新しい作りと、メーカーが説明する効果
NANOALLOY(ナノアロイ)フェース
作り:東レの特許技術による、衝撃を受けると柔らかくなる特殊な樹脂。ミズノが世界で初めてドライバーのフェースに使い、鍛造チタンのフェースの上に厚さ0.4mmで重ねた(特許出願中)。
メーカーの説明:チタンだけのフェースは中心だけが変形するが、NANOALLOY はフェース全体がたわむので、ボールの変形が小さくなりエネルギーのロスが小さい。その結果「ミズノ史上最高のボール初速」になった、と説明しています(初速の数値は非公表)。
新コアテック(CORTECH)フェース
作り:NANOALLOY に合わせて専用に設計し直した、土台の鍛造チタンフェース。
メーカーの説明:前作 ST-MAX と比べて最大約11%薄くし、打球速度を上げて、高い初速が出るエリアを広げた、と説明しています。
クイックスイッチ
作り:ロフト角とライ角を変えられる可変スリーブ(ロフトは±2度の範囲)。
メーカーの説明:スイングや好みの弾道に合わせてロフト角・ライ角を設定できます。ウェイトは固定式で交換できません。
6つの観点で採点
| 観点 | 採点 | 理由(作りと数字から) |
|---|---|---|
| 飛距離の設計 | ★★★★★ 3.0 | 初速は高いがスピンがやや多く伸びきらない(スポナビ オレンジマン)。海外試打で約3,200rpm |
| 曲がりにくさ | ★★★★★ 4.0 | ONE の実測の慣性モーメント5,199g・cm²は標準(4,600〜4,799)より大きい。SELECT は4,664で標準並み |
| 打感・打音 | ★★★★★ 3.0 | 「柔らかく食いつく」(スポナビ)と「やや硬く鈍い」(Golf Monthly)で割れる |
| 操作性 | ★★★★★ 3.0 | ONE は操作より直進性。SELECT は中立で曲がり幅が少ない |
| 調整機能 | ★★★★★ 3.0 | スリーブ(クイックスイッチ)はあるが、ウェイトの重さ・交換可否は日本の公式で未確認 |
| 価格の納得感 | ★★★★★ 3.5 | 92,400円(前作 ST-MAX 230 より11,000円高い)。通販で約2割引の例あり |
ギアオタクの目で見る作り
いちばんの特徴はフェース。鍛造チタンのフェースの上に、東レの特殊な樹脂素材 NANOALLOY を0.4mmの層として重ねています(ミズノ公式)。ミズノの説明では、衝撃を受けた瞬間に柔らかくなる素材で、フェース全体をたわませてエネルギーのロスを減らす狙いです。
ギアオタクの目で気になるのは、ボールが当たる面に別の素材が一枚あることです。こうした作りは打感を柔らかく感じさせやすい反面、ボールとの摩擦の性格も変わります。試打者の多くが「初速は高いのにスピンがやや多い」と書いているのは、この層が関係している可能性がある、と私は見ています(推測で、メーカーの説明ではありません)。ユーザーの口コミには「フェースにティーの跡がつく」という声もあり、フェースの見た目を気にする人は知っておいたほうがいい点です。
ボディは Ti811 で、公式の素材表でカーボンと書かれているのはクラウンだけ。ウェイトは SUS304(ステンレス)で、みんなのゴルフダイジェストは「ソール後方にひとつ」と書いています。数字で私が引っかかったのは低重心率です。実測の68.3%は標準(62.0〜63.9%)より高く、松尾好員氏は「高重心設計」と表現しています。構えたときのやさしそうな印象だけで選ぶ人は、この数字を先に見ておいてください。
気になる点
1. スピンが多く、飛距離が伸びきらない
スポナビのオレンジマンさん(HS約45m/s)は「初速は高いがスピンがやや多い」と書き、海外の Golfalot は約3,200rpmを「多すぎる」と評価しました。クラブ設計家の松尾好員氏も、普段3,000rpm以上の人が使うと吹き上がってランが出ないと指摘しています。国内の試打、海外の計測、設計家の見立てと、立場の違う人が同じ方向を指しているので、私はこれをいちばん大きな弱点と見ています。
2. 打感・打音が期待と違うという声
Golf Monthly は「やや硬く鈍い」、SELECT ではゴルフ・ドゥの口コミに「思ったより硬さを感じた」、my caddie に「打感がとても硬い」。一方でスポナビは「柔らかく食いつく」と書いています。ここまで評価が割れると、打感を理由に買うなら自分で打って確かめるしかありません。
3. SELECT は芯を外すと厳しく、ロフトは9度だけ
SELECT の実測の慣性モーメントは4,664g・cm²で標準並み。Golf Monthly はヒール側のミスに弱いと指摘し、複数の試打者がヘッドスピード43m/s以上を目安にしています。日本仕様のロフトは9度のみです。背伸びして選ぶモデルではありません。
それでも評価できる点
構えやすさの評価は高く、my caddie の項目別で4.9、GDO カタログのユーザー評価は4.2点です。ONE の慣性モーメントは標準より大きく、つかまりも良いという試打(スポナビ)もあります。スピンが多めという弱点も、もともとスピンの少ない人にとっては球を支える方向に働きます。スピンが少なめの人やヘッドスピードが速くない人が、見た目の良いヘッドで楽に飛ばす使い方なら、値段に見合うと私は考えます。
前作・ライバルとの数字の差
| 項目 | 前作 ST-MAX 230 | JPX ONE |
|---|---|---|
| 長さ | 45.75インチ | 45.5インチ |
| 総重量(S) | 約299g | 約310g |
| カーボン(公式表記) | クラウン・ソール | クラウン |
| 価格(税込) | 81,400円 | 92,400円 |
合う人・合わない人と、代わりの候補
メーカーは対象ヘッドスピードを明示していません。目安にしたいのは松尾好員氏の見立てです。ONE はスピン2,000rpm前後の人・パワーに自信のない人に、SELECT はヘッドスピード48m/s程度で自分で球を上げられる人に向くとしています。SELECT のほうが上級者向けに見えて気になる人もいるはずですが、この条件に届かないなら ONE を選ぶほうが結果は安定しやすい、というのが私の考えです。つかまりでスライスを直したい人は、PING G440 や キャロウェイ QUANTUM MAX D などドロー寄りのモデルを先に試してください。
よくある質問
JPX ONE と JPX ONE SELECT の違いは?
ONE は慣性モーメントが大きくやさしい設計、SELECT は標準並みで低スピン寄りです。SELECT の日本仕様はロフト9度のみで、試打者の多くがヘッドスピード43m/s以上を目安にしています。
NANOALLOY のフェースは何が違うのですか?
鍛造チタンのフェースの上に、衝撃を受けた瞬間に柔らかくなる樹脂素材を0.4mm重ねています。フェース全体をたわませてエネルギーのロスを減らす狙いだと、ミズノは説明しています。