パターの選び方メーカーがヘッド重量を公表していない、という問題
🕐 2026年9月12日広告を含みます
※ イメージ画像です。実際の製品の写真ではありません(メーカーの写真は使用していません)。
パターは1ラウンドで30回前後使います。ドライバーの倍です。それなのに、選ぶための数字が揃っていません。主要5ブランドのうち、ヘッド重量を公表しているのは2社だけでした。
結論:迷ったら34インチのマレット型
長さは34インチ、形はマレット型。これが最も外れにくい組み合わせです。
理由は単純で、長いものを短く持つことはできますが、短いものを長くすることはできないから。そしてマレット型のほうが、真っすぐ構えやすく、ミスに強いからです。
ただし、この結論は「無難」であって「最適」ではありません。最適を知るには数字が要るのですが、その数字が公開されていないのが現状です。
ヘッド重量を公表しているのは2社だけ
2026年の主要パター5ブランドについて、公式サイトでヘッド重量を探しました。結果です。
| ブランド/モデル | ヘッド重量 | 公表状況 |
|---|---|---|
| スコッティ・キャメロン PHANTOM | ― | 公式に記載なし |
| オデッセイ Ai-DUAL TRI-BEAM | ― | 公式に記載なし |
| テーラーメイド Spider TOUR TORCHED | ― | 公式に記載なし |
| PING SCOTTSDALE TEC | 350〜370g | モデルごとに公開 |
| L.A.B. GOLF MEZZ.1 MAX | 540g ±10g | 公開 |
公開している2社のあいだで、350gと540g。190gの差があります。パター全体の重さで言えば1.5倍以上です。
これだけ違うものを、数字なしで「打ってみて決めてください」と言われているのが現状です。ドライバーやアイアンでは総重量もバランスも公表されているのに、パターだけ扱いが違います。
当サイトとしては、ここが正直に書けないパターの記事は、すべて印象論になると考えています。「重ためのヘッドが人気」といった書き方をよく見ますが、何グラムなのかが分からなければ確かめようがありません。
PINGは例外的に細かく出しています。同じシリーズの中でもKETSCH ONSET が350g、HAYDEN が360g、KETSCH 4 が365g、ALLY BLUE 系が370gと、モデルごとに違う数字を公開しています。選ぶときに比較できる、数少ないブランドです。
長さの選び方
主要ブランドの標準的な展開は、33・34・35インチです。
| スコッティ・キャメロン | 33 / 34 / 35インチ |
|---|---|
| オデッセイ | 33 / 34インチ |
| PING | 34インチ基準(カスタムで31〜36)。CBモデルは37インチ |
| L.A.B. GOLF | 33 / 34 / 35インチ |
よく「身長◯cmなら◯インチ」という早見表を見かけます。これはあまり当てになりません。同じ身長でも腕の長さが違い、前傾の深さも人によって違うからです。実際、ゴルフの掲示板では身長基準の回答が出るたびに、その点を指摘する反論が付いています。
そうした場で繰り返し出てくる、実用的な判断はこれです。
迷うなら34インチ。長いものを短く持つことはできるが、短いものを長くすることはできない。
本来は、構えたときに目線がボールの真上に来て、手の位置が窮屈でない長さが正解です。これは店頭で実際に構えてみないと分かりません。パターマットの上で構えさせてもらえる店を選んでください。
なお、PINGのALLY BLUE H CB/ONSET CBは37インチと長めです。これは腕に沿わせて固定する構え方を想定したモデルで、一般的な長さの選び方とは別の話になります。
ピン型とマレット型
ヘッド形状は大きく2つです。
| ピン型(ブレード) | マレット型 | |
|---|---|---|
| 形 | 細長く、薄い | 後方に大きく張り出す |
| 慣性モーメント | 小さい | 大きい |
| ミスへの強さ | 低い | 高い |
| フェースの開閉 | しやすい | しにくい |
| 向くストローク | 弧を描く(アークストローク) | 真っすぐ引いて真っすぐ出す |
近年はマレット型が主流です。スコッティ・キャメロンの2026年モデル PHANTOM は、9モデルすべてがマレット系になりました。伝統的にブレードの代名詞だったブランドがこうなっている、というのは流れを示しています。
ブレードを求める人向けには、同社が STUDIO STYLE という別シリーズ(12モデル)を用意しています。ブランド内で「マレットのシリーズ」と「ブレードのシリーズ」に分かれた形です。
PING SCOTTSDALE TEC は、1つのシリーズの中にブレード2種・セミマレット2種・マレット3種を並べています。形を横断して比べたいならPINGが便利です。
ゼロトルクという新しい流れ
2024年以降、パター選びに新しい軸が加わりました。ゼロトルクです。
シャフトの軸線上に重心を置くことで、インパクトでフェースが開いたり閉じたりしにくくする構造を指します。代表格が L.A.B. GOLF で、MEZZ.1 MAX はヘッド重量540gという突出した数字を持ちます。
各社も同じ発想の製品を出しています。名前は違いますが、狙いは共通です。
- PING ── オンセット(ALLY BLUE ONSET、KETSCH ONSET)
- オデッセイ ── ラケットホーゼル(三角形状)
- スコッティ・キャメロン ── Phantom 5 OC(オンセットセンター、低トルク)
ただし、L.A.B. GOLF は121,000円です。今回並べた5機種で最も高く、PINGの71,500円、テーラーメイドの53,900円、オデッセイの44,000円と比べると2〜3倍になります。
試してみたいだけなら、各社のオンセット系から入るほうが現実的です。ゼロトルクが自分に合うかを確かめてから、専業ブランドを検討する順番で構いません。
主要5機種の比較
| モデル | 発売 | 価格(税込) | 形 | ヘッド重量 |
|---|---|---|---|---|
| オデッセイ Ai-DUAL TRI-BEAM | 2026年3月 | 44,000円 | ブレード〜ネオマレット 10型 | ― |
| テーラーメイド Spider TOUR TORCHED | 2026年6月 | 53,900円 | マレット3型(X/F/V) | ― |
| PING SCOTTSDALE TEC | 2026年4月 | 71,500円 | ブレード〜マレット 7型 | 350〜370g |
| スコッティ・キャメロン PHANTOM | 2026年3月〜 | 82,500円〜 | マレット 9型 | ― |
| L.A.B. GOLF MEZZ.1 MAX | ― | 121,000円 | マレット(ゼロトルク) | 540g |
価格の幅は44,000円から121,000円まで、約2.8倍あります。ただし、この差が打ちやすさの差かというと、それを裏づける公開データはありません。
中古市場では、スコッティ・キャメロンの平均落札価格が約20,800円という集計があります。定価82,500円のブランドが、中古では4分の1です。パターは新品にこだわる必要が最も薄いクラブかもしれません。フェースの摩耗が飛距離に影響しないためです。
よくある質問
パターにお金をかける価値はありますか?
使用回数で言えば、最も価値があります。1ラウンドでドライバーは14回、パターは30回前後です。ただし高いパターが入るとは限りません。選ぶための数字が公開されていない以上、価格は性能の指標になりません。店頭で構えて、しっくり来るものを選んでください。
フェースインサートは必要ですか?
打感と転がりに影響します。今回の5機種では、スコッティがSCS(スタジオカーボンスチール)、オデッセイがAi-DUAL(樹脂の2層構造)、テーラーメイドがPURE ROLL(5mm厚)、PINGが新PEBAXを採用しています。好みの問題で、優劣ではありません。
グリップは替えたほうがいいですか?
太いグリップは手首の動きを抑えます。真っすぐ引いて真っすぐ出したい方には効果があります。パター本体を買い替えるより安く、変化が分かりやすいので、先に試す価値があります。
ゼロトルクは誰にでも合いますか?
合わない方もいます。意図的にフェースを開閉して打っている人には、その操作が効かなくなるため違和感が出ます。弧を描くストロークの方は、まず店頭で試してください。
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